アクティブ パーセプション
研究目的
人間の知覚は, 本質的に限界がある. 人間の能力を超えた知覚を適切な形で人間に与えることは, 人間の認識行動能力の向上に寄与するとともに, 新たなマンマシンインターフェイスの開発につながる. このためには, 人間の認識行動様式を把握し, 能動的なインタラクションを誘発し得る適切なインターフェイスを設計する必要がある. 機械の知覚も同様であり「はかる」技術から「わかる」技術への変革が求められており, 高度な知能システムには, 自己の認識や感情の認識などの新たな知覚が求められている. その際, 認識と行動は一体のものとして設計される必要があり, これにより両者の能動性を新たに利用することが可能である.
アクティブ パーセプションは, これらの技術の総称であり, 本研究室では, センサや知能システムの技術ばかりではなく, ヒューマンコンピュータインタラクション, メディアアート, 神経生理学, 倫理学, 土木工学などの分野からのアプローチにより, ユーザや機械が扱えないとされてきた情報を取得・操作することと共に, 新たな学際分野の確立を目指している.
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応用分野
インタラクティブメディアアート, 新しい表現形態・アートとしてホテル・美術館・展示会等への提供,インフラの点検, 新しい広告メディア, ジェスチャーUI (テレビ [1m〜5m] :次世代テレビ対応, ゲーム・デジタルサイネージ [1m〜3m]:不特定対象(人間)の高速動作の3D計測, 最短遅延入力・表示の実現, コンピュータ [30cm〜1m]:マウスの代替, マルチタッチ型 (両手) 操作, 携帯機器・カーナビ [10cm〜30cm]:指・手入力, Fat Finger 問題の解決) マルチモーダルインターフェイス, 3D断層像の能動表示, VR, AR, 医療機器インターフェイス等.
研究成果
メタ・ディスプレイ
- 観測者の速度に依存したユーザー指向性多義ディスプレイ (2019-)
- 錯視的に生じる主観色の無彩色化システム (2019-)
- 眼球運動に同期した錯視画像の補償提示システム (2018-)
- モノクロの高速投影映像をカラーに知覚させるシステム (2018-)
- 鮮明な3次元立体映像を素手で高速に操作できるシステム (2013-)
- スマートフォンの拡張操作を行う、変形可能物体の一般的な製作手法に関する研究 (2014)
- AIRR Tablet: 空中映像を手で操作できるシステム 〜 自由空間をインタラクティブなディスプレイに 〜 (2013-)
- VibroTracker: 振動触覚共有システム (2012-)
- 動く手のひらや物体に映像と触覚刺激を提示できるシステム:高速で無拘束な未来型情報環境の実現 (2012-)
トラッキング & インターフェイス
- レーザー加温による動的マーカー(2021-)
- 身体感覚と視覚情報にずれが生じる没入環境における低遅延な映像のユーザーへの影響に関する研究(2018-)
- 高速ジェスチャーUI:低レイテンシーと自己受容性 (2010-)
- Light Arrays: 光を用いた身体拡張 (2010-)
- スマートレーザープロジェクター:カメラレス センシングディスプレイシステム (2010-)
アクティブセンシングとその応用
- トンネル照明認識による自己位置推定システム(2023-)
- トンネルにおけるクラック検出を目的としたシルクスクリーンを用いた再帰性反射マーカ(2022-)
- 高速移動環境下における高速画角拡張手法(2020-)
- サーモカメラを用いた温度画像のモーションブラー補償イメージング(2019-)
- 回転アクリルキューブによる光軸制御を用いたモーションブラー補償システム (2018-)
- 白線認識による画角補償機能を利用した時速 100km 対応トンネル覆工表面画像検査システム (2018-)
- 高速道路における点検の高度化に関する研究 (2014-)
- 画素単位ブラー除去イメージング (2013-)
スポーツ訓練システム
JST-ACCEL 「高速画像処理を用いた知能システムの応用展開」シンポジウムが開催されました.
詳しいレポートは、こちら. 研究者のインタビューをまとめたものは、こちら.