Light Arrays: 光を用いた身体拡張
概要
Light Arrays プロジェクトは,動作や姿勢といったダイナミックな身体表現を環境に投影する可視光線を通して, 身体の拡張を探るものである. 興味深いことに, これらの光の手掛かりは,このデバイスを着たユーザだけでなく他者からも見ることが出来る. この特徴は以下に挙げる,研究の2つの興味深い方向を目指してのものである.
- 人工的なビジュアルフィードバックシステムにより生成される,受容感覚の拡張. これは,複雑な身体的技術を学習することや,リハビリテーションのスピードを上げることや, 身体の表現能力を探ることにも役に立つ.
- 身体イメージのインタラクティブな拡張や, 個人間のパーソナルスペースをビジュアルで明快に表すことによって促される, 強化身体インタラクション.
このシステムは,Haptic Radarを補完する (とともに, いくらかの正反対の機能をもつ) ものである. Haptic Radarが着用者周囲の物体や触覚を変換した情報を集めるのに対して Light Arrays システムは, 着用者の姿勢についての情報をまとめ,周囲の観測者全員に投影するものである.
我々は,レーザモジュール,サーボモータ,センサを用いて,Light Arrays の具現化を図っている. レーザ光の方向と強度は,着用者の動作や2人目の動作に応じて,制御される. これによって,同システムを利用する2人のユーザの間で, 拡張された身体が共有されるというインタラクションを創出できる可能性がある.
図に示す in-visible skirt プロトタイプでは, 4つのサーボモータによりフレキシブルな変形や回転が可能な円状の支持体に, 12 個のレーザモジュール (635nm, 3mW) がついている. 身体の動作を捉えるウェアラブルセンサのデータに応じて, コントローラは様々なサーボ指令を送り出し,モータを制御する. このビデオでは,前後左右の曲げ姿勢によって, in-visible skirt が動作する様子をデモンストレーションしている. 3つの別々の電源がサーボ,レーザ,マイクロコントローラの駆動に用いられている.
データは,XBee Znet 2.5 ネットワークを通じてワイヤレスで送られ, 生データの 30Hz での転送とコードされたコマンドの低速での実行が可能である. それと同時に,センサデータが外部のデスクトップコンピュータに送られ, 新しいシステムの挙動の設計やデータの解析に役立てられる.
動画
参考文献
- Wilde D., Cassinelli A.., Zerroug A.:LightArrays, ACM CHI'12 (Interactivity), May 5-10, 2012, Austin, Texas, USA (2012) [PDF-4.2MB] [wmv-46MB]
- Wilde, D., Cassinelli, A., Zerroug, A., Helmer, R J N., Ishikawa, M. Light Arrays: a system for extended engagement. Proc. ICDVRAT with ArtAbilitation Viña del Mar/Valparaíso, Chile. September 2010 [PDF-2MB]
- Yebisu International Festival of Art and Alternative Visions (18-27/2/2011) [website][Blog], Panel presentation [PDF-37MB]