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AIRR Tablet: 空中映像を手で操作できるシステム ~ 自由空間をインタラクティブなディスプレイに ~

概要

このシステムは、 高速高輝度空中ディスプレイと高速3Dジェスチャー認識とで構成されている. 宇都宮大学山本准教授(平成26年4月1日に徳島大学から異動)らが開発したAIRRと呼ばれる表示技術を用いた空中映像に対して、 本研究室で開発した3次元空間内の対象を瞬時かつ低遅延で検出する高速ジェスチャー認識技術を用いて、 空中映像を高速に操作することを可能にしている. AIRR技術(注1)は、 光を入射方向に反射させる光学素子である、 再帰反射シートを用いて空中映像を形成する技術であり、ここで作られる空中映像は、 3次元空間内に実際の像となることから、 運動視差や眼の焦点調節も可能になり、 人に優しい次世代の3Dディスプレイとなるものと考えている. 従来は、 レンズやミラーアレイを用いる方法が提案されていたが、 AIRR技術を用いることで、 広い範囲から観察できる空中映像を実現でき、 加えて、 光源には新たに開発した高速LEDディスプレイを用いることで、 照明のある室内でも明るく見やすい空中映像を表示することが可能となった. また、 この空中映像は複数人で見ることができる.

高速3Dジェスチャー認識技術は、 超高速のステレオカメラで構成され、 ユーザーの手の3次元位置とジェスチャーを高速(500fps)で認識し、 遅れのないジェスチャー操作が可能となる. たとえば、 両手で空中スクリーンの拡大と回転が行えるだけでなく、 空中映像に対してパンチを繰り出すような速い動きにおいても検出・操作が可能となり、 空中映像をジェスチャーで高速に操作できる未来型情報環境といえる.

これらを統合したシステムを AIRR Tablet と呼び、 人間の認識能力をはるかに超えるスピードで環境に存在する手や対象物を認識し、 遅延等の違和感のない情報の表示と入力を実現しているもので、 何もない空間を大画面タブレットに変えることができることを示したものである. 従来のコンピュータやスマートホンとは違い、 情報表示として、空間そのものを、 視覚的に実感可能なタッチスクリーンにするものであり、 物理的衝突による制約を受けること無く、 自由で高速な3次元入出力が可能になる.


   注1:AIRR表示技術(Aerial Imaging by Retro-Reflection)

再帰反射を用いた空中映像の形成技術です. 入射した方向に光を反射する性質をもつ再帰反射シートを用いて、 レンズが像を結ぶような機能を実現しています. AIRRは、 再帰反射シート、 半透過鏡、 光源の3要素によるシンプルな構成で、 光学素子の精密な位置合わせを必要とすること無く、 大画面の空中映像を広い視野に対して呈示します. このデモシステムでは、 超小型のビーズを用いた再帰反射シートにより、 左右90度以上の広い範囲から見える空中映像を形成します.


 
図1 AIRR Tablet の構造
 
図2 システムの全体像
 
図3 三方向から見た空中映像
   図4 空中映像に対して、
          線画の入力を行っているところ

動画




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参考文献

 
東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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