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高速道路における点検の高度化に関する研究
概要
当研究室で開発している「画素毎動き補償イメージング」の応用例として,インフラ維持・管理における点検技術の高度化に向けた提案を行っている.カメラ撮影において,モーションブラーは画像の画質劣化を招く主たる要因の一つである.このモーションブラーを改善する取り組みは,手ぶれ補正機能やフラッシュ,露光時間の制限といった様々な手法で取り組まれてきており,画質改善に対する寄与が図られている.しかしながら,特にインフラ維持・管理目的の点検では,インフラ機能自体を停止することが難しい状況もあるため,インフラ上を車両で高速に移動しながら構造物等を撮影するといったことが求められる.さらに,点検目的では高い精度の画像判定が要求されるため,高分解能の画像をモーションブラー無しで撮影することは極めて困難な課題であった.そこで,本研究ではモーションブラー補償装置を利用し,上記の問題を改善する手法を提案している.
上記の研究成果は,東京大学石川渡辺研究室と中日本高速道路株式会社との共同研究である.
※本実験は通行規制区間内で実施しています |
モーションブラー補償装置をインフラ維持・管理に応用するため,要求仕様を検討した上で,複数回の現地実験を経てモーションブラー補償技術の実用化に向けた検証を行っている.その結果,実際のトンネルで地面から高さ7mの天井に対して時速100kmの移動体からの撮像で,設定した要求仕様を満たすモーションブラーの除去を実現した.
動画
参考文献
- 早川智彦,石川正俊,亀岡弘之:時速100km走行でのトンネル覆工コンクリート高解像度変状検出手法,建設機械建設施工,vol.73,no.8,pp.19-23 (2021)
- 早川智彦,望戸雄史,栃岡陽麻里,石川正俊,大西偉允,亀岡弘之:【大臣賞】時速100km走行での覆工コンクリート高解像度変状検出手法,土木施工,vol.62,no.7,p.146 (2021)
- 早川智彦,久保田祐貴,望戸雄史,柯毓珊,石川正俊: モーションブラー補償による高速撮像技術のインフラ検査への応用, 光学, Vol. 50, No. 2, pp. 61-67 (2021)
- Tomohiko Hayakawa, Yushi Moko, Kenta Morishita, and Masatoshi Ishikawa: Real-time Robust Lane Detection Method at a Speed of 100 km/h for a Vehicle-mounted Tunnel Surface Inspection System, 2019 IEEE Sensors Applications Symposium (SAS2019) (Sophia Antipolis, 2019.3.11)
- 早川智彦, 望戸雄史, 森下健太, 石川正俊:白線認識による画角補償機能を利用した時速 100km 対応トンネル覆工表面画像検査システム,第16回ITSシンポジウム(京都, 2018.12.14), 4-B-01, 2018. ベストポスター賞
- Tomohiko Hayakawa, Yushi Moko, Kenta Morishita and Masatoshi Ishikawa, "Pixel-Wise Deblurring Imaging System Based on Active Vision for Structural Health Monitoring at a Speed of 100 km/h," 2017 The 10th International Conference on Machine Vision(Vienna, Austria, 2017.11.14)/ (Oral Session)
- Tomohiko Hayakawa and Masatoshi Ishikawa, "Motion-blur-compensated structural health monitoring system for tunnels at a speed of 100 km/h," SPIE Smart Structures/NDE 2017(Portland, Oregon, USA. 2017.03.29)/ (Oral Session)
- Tomohiko Hayakawa, and Masatoshi Ishikawa: Development of Motion-Blur-Compensated High-Speed Moving Visual Inspection Vehicle for Tunnels, Int. J. Struct. Civ. Eng. Res., Vol. 5, No. 2, pp. 151-155, 2016.
- Tomohiko Hayakawa and Masatoshi Ishikawa, "Motion-blur-compensated structural health monitoring system for tunnels using pre-emphasis technique," Fifth International Symposium on Life -Cycle Civil Engineering, IALCCE2016(Delft, The Netherlands, 2016.10.16-19)
- Tomohiko Hayakawa and Masatoshi Ishikawa: Development of Motion-Blur-Compensated High-Speed Moving Visual Inspection Vehicle for Tunnels (ICGCE'16) (Penang, 2016.1.13) / Proceedings of 2016 3rd International Conference on Geological and Civil Engineering, pp. 24-28 (2016) Best Presentation Award
- 早川智彦, 小松由里子, 東晋一郎, 石川 正俊:インフラ維持・管理におけるモーションブラー補償装置の利用,第31回日本道路会議, 2006 (2015)
メディア
- IT media 時速100kmで覆工コンクリートの変状を検出するシステムが国交大臣賞 (2021.1)
- 国土交通省 【令和3年1月8日】 「第4回インフラメンテナンス大賞」表彰式に赤羽大臣が出席 (2021.1)
- 国土交通省 インフラメンテナンスの優れた取組や技術開発を表彰!~第4回「インフラメンテナンス大賞」受賞者を決定~ (2020.11)
- 道路構造物ジャーナルNET 「現場を巡る NEXCO中日本グループ 「技術フェア」を開催」 (2018.8)
- 道路構造物ジャーナルNET 「インタビュー 猪熊康夫氏 中日本高速道路の構造物の保全はどこまで進んでいるか」 (2018.7)