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「超高速プロジェクタとその応用」の研究概要

概要

従来のプロジェクタはフレームレートが遅いだけでなく,映像が出力されるまでの遅延も大きかった.もはやプロジェクタの役割が,固定された平面のスクリーンへ投影するだけにとどまらなくなった現在,この速度のボトルネックは次世代の応用創出を大きく阻害するものである.問題が生じる分野は,プロジェクションマッピング,デジタルサイネージ,ユーザインタフェース,拡張現実,ロボット制御や検査などのための画像センシングなど多岐に渡る.高速化は,プロジェクタを進化させる強力な武器である.

そこで我々は,1,000fpsで8bitの映像を投影できる世界最速レベルの超高速プロジェクタDynaFlashを新たに開発した.これは、DMDと呼ばれる投影デバイスの速度限界を、LEDの光制御と連携することで打破するものである.このような超高速プロジェクタは,人間が捉える実世界を大きく塗り替えることができる.例えば,我々が独自に開発を進めてきた1,000fps高速ビジョンと連携させることで,実世界の運動物体と完全協調したダイナミックプロジェクションマッピングが可能となる.さらに超高速プロジェクタは,人間が知覚できない輝度変化を有した照明としても利用することができる.応用事例の一つとして,実物体によって映像を作り出すリアリスティックなディスプレイを実現している.

超高速プロジェクタ



ダイナミックプロジェクションマッピング



写真はWOWの作品紹介ページ, 「INORI (prayer) / Making」より転載


臨界融合周波数を超える光投影に基づく実物体を用いたリアリスティックディスプレイ



参考文献

  • 渡辺義浩: ダイナミックプロジェクションマッピングのデザイン, プロジェクションディスプレイ技術研究会, 2017.10.20.
  • 渡辺義浩: ビジョン・プロジェクタの高速化と実空間メディアの進化, 超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム 実空間メディアワーキンググループセミナー, 2017.9.8.
  • 渡辺義浩: 高速ビジョンと映像投影, 日本ロボット学会誌, Vol.35, No.8, pp.587-590, 2017.
  • Yoshihiro Watanabe: Emerging Applications Based on High-speed Computational Vision, The 22nd Asia and South Pacific Design Automation Conference (ASP-DAC 2017), 2017.1.19.
  • 渡辺義浩: 高速プロジェクタの衝撃, プロジェクションディスプレイ技術研究会, 2016.10.26. [PDF]
  • 石川正俊: 高速ディスプレイで創る新しいインタラクティブディスプレイ, TI DLP Workshop Japan 2016.10.19
  • Yoshihiro Watanabe: See the Unseen: Computational Visual Sensing and Display at High Speed, Seminar at NARA Institute of Science and Technology, 2016.10.3.
  • 渡辺義浩: 高速性がもたらす実世界把握・提示の新展開, 第77回応用物理学会秋季学術講演会 (新潟, 2016.9.15)/講演論文集, (2016).
  • 渡辺義浩: プロジェクションマッピングのための高速化技術, 科研費 新学術領域研究「多元質感知」公開セミナー「質感とプロジェクション」, 2016.9.12.
  • Yoshihiro Watanabe: See the Unseen: Computational Visual Sensing and Display at High Speed, The 75th TAOYAKA Program Seminar, 2016.9.5.
  • 石川正俊: 高速ディスプレイと高速画像処理で創る新しいインタラクティブディスプレイの世界 (特別講演), 第18回レーザーディスプレイ技術研究会 (東京, 2016.2.3)/講演予稿集, pp.3-11
  • 石川正俊: 超高速ビジョン/プロジェクターでクルマを革新 (特別講演), 日経エレクトロニクスセミナー 「車載イメージングソリューション」 (東京, 2015.8.7)
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東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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