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ブックフリッピングスキャニング
概要
デジタル書籍のニーズが急速に高まっている.しかし,紙に印字された従来の書籍を,高速かつ手軽に電子化するための技術力は十分でなく,デジタル書籍の波及に歯止めをかけている.「全世界の全ての書籍を電子化する」という戦略目標を実現するために,今求められている必須の技術は,超高速な書籍の電子化技術である.この技術は,これまでの世界観を確実に変貌させる強力なものである.スキャンに要する作業時間が大幅に短くなることで,ビジネスから日常まであらゆる局面における行動のスタイルに対して,多大なインパクトがあると期待できる.
本研究の目標課題は,膨大な書籍に対して,かつてないスピードの高精度スキャンを可能とする技術の実現である.この実現に向けて,新たな書籍電子化の方式として,ブックフリッピングスキャニング (Book Flipping Scanning) を提案する.これは,ページめくり中に,紙面の動きを止めることなく,連続的に書籍を電子化するものである.この構想のもと,図書館や企業などで数百万冊レベルの書籍を電子化する応用から,モバイルで手軽に電子化できる応用まで,利用形態に応じた様々なシステムとその要素技術を開発している.
関連研究
- BFS-Auto: 高速・高精細書籍電子化システム(2012-)
- 複数視点画像を用いる統合型書籍画像生成とその高品質化 (2014-)
- BFS-Solo: 単眼動画像を用いた高速書籍電子化システム (2013-)
- 複雑変形紙面の高精度展開補正手法 (2014-)
- 書籍のデジタルアーカイブに向けためくり動作中の高速反射特性計測 (2012-)
- ブックフリッピングスキャニングのプロトタイプ (2009-2010)
メディア
- 2015年2月16日: 東京大学附属図書館蔵書のデジタル化作業で試験運用が開始されました.
- 2013年8月18日: 朝日新聞GLOBEの特集記事「図書館へ行こう」で「高速読み取り、1分間に250ページ」が掲載されました.
- 2013年6月3日: Researchmapにつながるコンテンツ「本のパラパラめくりをスキャンする。」が掲載されました.
- 2013年4月1日: 月刊 Saai Isaraに本研究に関する記事「JAPANテクノロジー最前線 大量の蔵書も難なくスキャン!めくるめく超高速電子書籍化計画」が掲載されました.
- 2013年1月1日: 朝日新聞デジタルに本研究に関する記事「あっという間に本を電子化 大日本印刷と東大が共同開発」が掲載されました.
- 2013年1月24日 日刊工業新聞に本研究に関する記事「東大、小型カメラで書籍を電子化するシステム開発」が掲載されました.また同紙の電子版にも掲載されました.
- 2012年11月26日: 2012年11月26日放映のテレビ東京 ワールドビジネスサテライトのトレンドたまごで本システムが紹介されました.
- 2012年11月20日: 本研究をベースとした実用試作機が,2012年11月20日(火)~22日(木)にパシフィコ横浜で開催される第14回図書館総合展の大日本印刷株式会社のブースで展示されました.また,同総合展のフォーラムで石川正俊教授が講演を行いました.
- 2012年11月19日: 大日本印刷株式会社のホームページに本研究に関するニュースリリースが掲載されました.
- 2012年11月16日: 日本経済新聞の夕刊1面に本研究に関する記事が掲載されました.また同紙のWeb刊にも掲載されました.
参考文献
- 渡辺義浩, 石川正俊: 籍電子化技術の新展開 -ブックスキャナの技術動向と超高速化への挑戦-, 現代の図書館, Vol.51, No.4, pp.210-216, 2013.