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定量的気管内視鏡画像計測に向けた動脈波シミュレータ
概要
小児には気管軟化症(tracheomalacia)と呼ばれる, 気管軟骨が軟弱になる等により吸気時に気管が虚脱してしまう疾患があるが, 現状の気管軟化症の診断は定性的な気管支鏡検査に留まっている. 医療の均てん化に向けた気管軟化症の内視鏡検査による定量的診断には呼吸変動の適切な計測が必要だが, 呼吸変動の計測の妨げになる気管内壁心原性振動の時空間的定量化も必要となる. 高速内視鏡イメージングは気管や呼吸の変動を定量化する可能性を秘めているが, 動脈波も含まれると考えられる気管内視鏡画像内の心原性振動(図1)に対しその計測精度や特性が明らかでなく, また気管内壁心原性振動のメカニズムとして動脈波と心臓組織変動との区別も難しい.
そこで本研究では定量的な気管内視鏡画像計測に向けて,脈動ポンプと超柔軟チューブによる動脈波シミュレータ(図2)を提案する.
脈波で変形するチューブの2箇所に配置したレーザ変位計によりシミュレータとしての脈波伝播時間を計測する(図3).
また,チューブ内液圧調整により,一定範囲内で特定の脈波伝播速度を生成可能とする.
そして調整された脈波伝播速度を用いて,高速内視鏡イメージングによる脈波計測精度を定量化し,計測特性を明らかにすることができる.
実際に開発した動脈波シミュレータにおいて,高速内視鏡イメージングによる脈波の計測が可能なことを示した(図4).
本シミュレータを活用した定量的な高速内視鏡イメージングの開発および発展により,医療分野への応用展開が期待される.
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参考文献
- Tomohiro Sueishi, Makoto Komura, and Masatoshi Ishikawa: Arterial Simulator with Configurable Pulse Wave Velocity for Quantitative Tracheal Endoscopic Image Measurement, 2026 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII2026) (Cancun, 2026.1.12)/Proceedings, pp. 21-27 Best Paper Finalist
- Tomohiro Sueishi, Makoto Komura, and Masatoshi Ishikawa: High-speed Image-based Measurement Method of Tracheal Cardiac-induced Pulse Transit Time, The 46th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC2024) (Orlando, 2024.7.19)/Proceedings, Poster ID.118373
- 末石智大,古村眞,石川正俊:気管軟化症診断定量化に向けた気管内心原性振動の高速画像計測手法,生体医工学シンポジウム2024 (東京,2024.9.13)/講演予稿・抄録集, p.82, C-17






