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ダイナミックプロジェクションマッピングを用いた動物体への視点依存映像の投影

概要

近年、3Dモデルを直感的な方法で立体的に提示することのできる3Dディスプレイの開発に向けて様々な研究が行われています。 しかし、これらの研究はいくつかの問題を抱えていました。 例えば人間が従来の3Dディスプレイを持ってダンスなど激しい動きをしようとすると、重量があるため動かすのが難しく、電源コードが動きの邪魔になります。 さらに、それらの3Dディスプレイは落下などの故障リスクが大きいという問題があります。 そこで、本研究では、ダイナミックプロジェクションマッピングと呼ばれる技術を応用して、人間が持ち運びしやすいレンチキュラーレンズに投影することにより、視点依存画像を投影する方法を提案します。 ダイナミックプロジェクションマッピングとは、実物体に対し高速にセンシング及び投影を行うことで、素早く動いたり変形したりする物体に対してもぴったりと貼り付いた映像を投影できる技術です。 また、レンチキュラーレンズとはよくお菓子などのおまけとして入っているもので、複数の画像を組み合わせた絵をレンズの平らな面に印刷することで、視点に依存して変化する絵や立体感のある絵を提示できるものです。 このレンチキュラーレンズは持ち運ぶのに十分軽量であり、落としても壊れにくいため、本研究の目的に適しています。

レンチキュラーレンズに投影を行う際、レンチキュラーレンズは背景に投影された絵が少しでもずれていると見える絵柄が変わってしまうため、投影位置を高精度に制御する必要があります。 また、レンチキュラーレンズの位置のセンシングから画像を投影するまでの間にはシステム的な遅延時間が存在します。 これら2つの要因で、レンチキュラーレンズを動かすと本来見えてほしい絵柄と異なる絵柄が見えてしまいます。 本研究ではシステム遅延によって引き起こされる投影像の位置ずれを補正するために、視点依存映像の品質を表す尺度を定義し、その尺度からシステム遅延時間を推測しました。 推測した遅延を元に映像の位置を補正することで、問題である視点依存映像の品質の改善を実現しました。


図1 投影システム
図2 投影結果

動画




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参考文献

  1. 深水健太郎、宮下令央、石川正俊: ダイナミックプロジェクションマッピングを用いた動物体への視点依存映像の投影、インタラクション2020

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川グループ研究室
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