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微生物群によるオーガナイズドバイオモジュール
研究目的
本研究は,微生物をモジュールとして情報処理機構と結合することで,柔軟かつ多様な機能を提供する超大規模マイクロシステムの実現を目指すものである.生物にとって, 環境変化の的確な検知とそれに対応した素早い行動は生死に関わる. そのため, 微生物も体内に高感度, 高精度なセンサとアクチュエータを発達させてきた. 本研究では微生物をセンサとアクチュエータの統合体ととらえてバイオモジュールと呼び, 複数のバイオモジュールとコンピュータを結合させるインタフェースを開発する.これにより生物と情報処理機構を融合した新しいマイクロシステムの実現を目指している.
既存のマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)技術では,システムの状態をセンシングすることが困難であり,ひとつのハードウェアはひとつの機能しか提供できない.しかし微生物は非常に優れたマイクロマシンである.したがって,多数の微生物を協調させるフィードバック制御システムが構築できれば,既存のMEMSの概念を超越するプログラム可能な多機能マイクロシステムが実現できる.
ビジュアルサーボ理論, マイクロビジュアルフィードバック (MVF) システム, 高速可変焦点レンズなどの知見を生かし, OBM の実現に向けて研究を進めている.
- 微生物電気走性のダイナミクスモデル (2004-)
- 走電性をもつ微生物運動制御のための電流制御型電気刺戟デバイス(2003-)
- 高速トラッキングによる微生物の運動制御(2003-)
- 微生物電気走性の継続観察システム(2003-)
参考文献
- 尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.電気走性アクチュエーションにおけるゾウリムシの非ホロノミック性.第 23 回日本ロボット学会学術講演会 (神奈川県横浜市,2005.9.17) / 予稿集,3F14,Sept.2005.
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa. Microrobotic Visual Control of Motile Cells using High-Speed Tracking System. IEEE Transactions of Robotics, Vol. 21, No. 4, pp. 704-712, Aug. 2005. [PDF (1.1M)][doi:10.1109/TRO.2005.844686] *IEEE
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa. Microrobotic Control of Paramecium Cells using Galvanotaxis. 2005 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics (ROBIO 2005) (Macau, China, 2005.7.3) / ROBIO'05 Workshop on Biomimetic Robotics and Biomimetic Control, pp. 23-35, Jul. 2005. [PDF (3.1M)]
- 尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.ゾウリムシ電気 走性のダイナミクスモデルによるオーバランの評価.日本機械学会ロボティク ス・メカトロニクス講演会 2005 (ROBOMEC 2005) (兵庫県神戸市,2005.6.11) / 講演論文集,2P1-N-078,Jun.2005.[PDF (160K)]
- 尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.ゾウリムシ電気走性の ダイナミクスモデル.第 5 回計測自動制御学会制御部門大会 (宮城県仙台市, 2005.5.27) / 資料,pp. 691-694,May 2005.
- 尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.高速トラッキン グを用いたゾウリムシの運動制御.計測自動制御学会第 5 回制御部門大会 (宮城県仙台市,2005.5.27) / 資料,pp. 687-690,May 2005.
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa. Dynamics Model of Paramecium Galvanotaxis for Microrobotic Application. 2005 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA 2005) (Barcelona, Spain, 2005.4.19) / Proceedings, pp. 1258-1263, Apr. 2005. [PDF (341K)] *IEEE
- 山根 淳,尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.ゾウ リムシの運動制御のための電流制御型電気刺激デバイス. 日本機械学会ロボ ティクス・メカトロニクス講演会 2004 (ROBOMEC '04) (愛知県名古屋市, 2004.6.19) / 講演論文集,1A1-H-28,Jun,2004.[PDF (266K)]
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa. Motile Cell Galvanotaxis Control using High-Speed Tracking System. 2004 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA 2004) (New Orleans, USA, 2004.4.28) / Proceedings, pp. 1646-1651, Apr, 2004. [PDF (1.7M)] *IEEE
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa. Single-Cell Level Continuous Observation of Microorganism Galvanotaxis using High-Speed Vision. 2004 IEEE International Symposium on Biomedical Imaging (ISBI 2004) (Arlington, VA, USA, 2004.4.18) / Proceedings, pp. 1331-1334, Apr. 2004. [PDF (982K)] *IEEE
- 尾川 順子,奥 寛雅,橋本 浩一,石川 正俊.微生物の電気走 性の継続観察システム. 第 4 回計測自動制御学会システムインテグレーショ ン部門講演会 (SI2003) (東京都渋谷区,2003.12.20) / 講演会論文集, pp. 385-386,Dec.2003.
- 奥寛雅,尾川順子,橋本浩一,石川正俊.イメージインテンシファイア付高速視覚による微生物トラッキングシステム.計測自動制御学会計測部門大会第 20 回センシングフォーラム (東京都小金井市,2003.9.17) / 講演論文集,pp.331-334,Sep.2003.
- 尾川順子,奥寛雅,橋本浩一,石川正俊.オーガナイズドバイオモジュールの実現に向けたゾウリムシの応答計測.日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 2003 (ROBOMEC '03) (北海道函館市,2003.5.25) / 講演論文集,2P2-3F-E3,May 2003. [PDF (366K)]
*AIP
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