OCULAR-II:層構造を有する光電子融合並列処理システム
研究内容
OCULAR-II(Optoelectronic Computer Using Laser Arrays with Reconfiguration-II) は, 並列光入出力チャンネルを有する2つのPEアレイ(2層のPEアレイ)を自由空間光インター コネクションにより接続した, パイプライン構造を有する光電子融合並列処理システムで ある.このシステムは,チップ間の自由空間を介した再構成可能な光インターコネクション と,複数の処理モジュールのカスケード接続による階層的処理を最大の特徴とし,これに よりデータの入力・処理・出力の一連の操作をボトルネックなく実現できる.光入出力を 有する処理モジュールと光インターコネクションの光学系は,それぞれコンパクトにかつ モジュラーな構造を有するように設計されており,各モジュールをビルディングブロックと して階層的に組み合わせることにより,システムの拡張が可能となっている.
Fig.1: OCULAR-IIのアーキテクチャ
処理モジュールは, 垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)アレイ,受光素子(PD)アレイ, プロセッシングエレメント(PE)アレイにより構成される.層間を接続する 光インターコネクションモジュール は, 空間光変調素子(SLM)やフーリエ変換レンズ等を24cm x 14cm x 5cm の体積内に 収めたコンパクトな 4f 光学系であり, SLM に書き込まれる計算機ホログラム(CGH) の書き換えにより,再構成可能な相互結合網を実現している.
プロセッシングエレメントの汎用的演算処理能力と再構成可能な光インターコネクション を, アプリケーションに合わせて適応的に用いることにより,画像処理, 信号処理, 行列 演算などのアプリケーションを, 効率良く実行できる.
Fig.1: OCULAR-IIの実験システム外観
- OCULAR-II 上で実現された再構成可能光インターコネクションの動画は, こちら(2.07Mbytes) へ
- 層間の再構成可能な光インターコネクションを実現する光インターコネクションモジュールの詳細については こちら へ
本研究は, 株式会社浜松ホトニクス との共同研究である.
参考文献
- Makoto Naruse, Haruyoshi Toyoda, Y. Kobayashi, D. Kawamata, N. McArdle, A. Goulet, and Masatoshi Ishikawa : An Optically Interconnected Pipelined Parallel Processing System : OCULAR-II, in Optics in Computing 2000 (R. A. Lessard and T. Galstian, eds.) Proc. SPIE, 4089, pp.440-448 (2000) [pdf file(507k)]