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集積化並列光デバイスを用いた高速・並列共焦点顕微鏡システム

研究内容

試料内の任意の断層像を取得できる共焦点レーザ顕微鏡は,生きた細胞・組織の 動態観察等を可能としたが,その時間分解能は一般には画像取得デバイス(CCD等) やガルバノミラー等の機構の速度に制限され,対象の移動速度等の形態を計測し たり,特定の対象を追跡するには,システムのさらなる高速化や自律的動作が期 待される.そこで,受光素子とプロセッサを一体化した光電子融合型デバイス (スマートピクセル)等の集積化光デバイス技術を,共焦点顕微鏡に応用するこ とにより,顕微鏡像の処理速度を高め,空間内を高速に運動する生体の組織等の 観測・分析・制御を可能とする高速・並列共焦点顕微鏡システムを提案し,基本 的原理を確認した.

下図に示すように,2次元アレイ状の並列の光源として垂直共振器型面発光レーザ (VCSEL)を用い,受光面に,画素毎に光検出器(PD)と演算回路を有するスマートピ クセルを配置し,また,画素毎にピンホールをPD前面に設置する.スマートピク セルによる画素並列画像処理機能により,特定の対象の追跡等を従来の撮像デバ イスを用いた場合に比べて極めて高速に行える.

面発光レーザの応用により,ニポウディスクに代表されるマルチピンホール型の 並列化方式に比べ,光の利用効率が高まると共に,ピクセル毎に対象の状態に則 して適応的に照明条件を変化させることにより,ダイナミックレンジを高めるこ とができ,しかも,その制御がピクセル毎の演算機能を用いて超高速に行うこと ができる.

実験では,波長850nm,ピッチ 250μm, アレイサイズ 8x8 の VCSEL アレイ,受 光素子として増幅回路(TZゲイン 150kΩ)と2値化回路を集積した 8x8PDアレイ, プロセッシングエレメント(PE)として S3PEアーキテクチャを用い,ビデオレート を上回る周波数で動作する対象物の捕捉能力を示す結果を得た.

VCSEL をご提供頂いた NTTフォトニクス研究所,PDをご提供頂いた浜松ホトニク スに感謝致します.

parallel confocal system using integrated optical devices
Figure 1: Parallel Confocal Microscope System Using Integrated Optical Devices

experimental system
Figure 2: Experimental System


参考文献

  1. 成瀬誠,石川正俊:スマートピクセルを用いた高速・並列共焦点顕微鏡システム, 第47回応用物理学関係連合講演会 (東京, 2000.3.29)
  2. Makoto Naruse and Masatoshi Ishikawa : Parallel Confocal Laser Microscope System using Smart Pixel Arrays, The International Symposium on Optical Science and Technology, conference 4092 : Novel Optical Systems Design and Optimization III (San Diego, 2000.8.1)/Proceedings of SPIE, Vol.4092, pp.94-101

東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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