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微生物電気走性のダイナミクスモデル
概要
微生物は進化の過程で高性能なセンサとアクチュエータを体内に獲得してきた. 我々は微生物を高機能マイクロマシンとみなして制御することを目指している.
微生物マイクロマシン応用においてアクチュエーション技術の確立は最重要課題であり, これまでゾウリムシに対し電気走性を利用したごく単純な運動制御が行われているが, これらは経験則に基づいた制御のため,制御性能に限界があった.これに対し, ゾウリムシをロボティクスの枠組から議論すればより高度な制御が可能になると考えられる. このための最低限の準備として, まずゾウリムシの物理的なダイナミクスを把握し数学的に表現することが必要となる.
そこで,ゾウリムシの電気走性のダイナミクスモデルを構築し, 実際のゾウリムシの行動と比較してその振舞いが定性的に妥当であること, 陰極への遊泳や U ターン行動などが再現されることを確認した.
参考文献
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa : A physical model for galvanotaxis of Paramecium cell, Journal of Theoretical Biology, Vol.242, Issue 2, pp.314-328 (2006.9) [PDF (484K)] [doi:10.1016/j.jtbi.2006.02.021] *Elsevier
- 尾川順子,奥寛雅,橋本浩一,石川正俊:電気走性アクチュエーションにおけるゾウリムシの非ホロノミック性, 第23回日本ロボット学会学術講演会 (横浜,2005.9.17)/予稿集, 3F14 (日本ロボット学会学術奨励賞) [PDF (598K)]
- 尾川順子,奥寛雅,橋本浩一,石川正俊:ゾウリムシ電気走性のダイナミクスモデルによるオーバランの評価, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2005(ROBOMEC2005) (神戸,2005.6.11)/講演論文集,2P1-N-078(2005.6) [PDF (160K)]
- 尾川順子,奥寛雅,橋本浩一,石川正俊:ゾウリムシ電気走性のダイナミクスモデル, 第5回計測自動制御学会制御部門大会 (仙台,2005.5.27)/資料,pp.691-694
- Naoko Ogawa, Hiromasa Oku, Koichi Hashimoto and Masatoshi Ishikawa : Dynamics Model of Paramecium Galvanotaxis for Microrobotic Application, 2005 IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA2005) (Barcelona, 2005.4.19)/Proceedings, pp.1258-1263 [PDF (341K)] *IEEE
本件に関する問い合わせ先: 尾川 順子 (Naoko_Ogawa)