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追従的投影モザイキング

概要

プロジェクタは情報提示デバイスとして解像度や輝度の面で改良が続けられているが,固定プロジェクタにおいては画角と解像度においてトレードオフを有し, 観察者の視線を考慮すると広範囲かつ高解像度な投影像表示は困難であった.複数のプロジェクタを用いて投影範囲をタイル状に並べたり, ずらしながら重ね合わせたりすることで解像度を向上させる手法も存在するが,固定プロジェクタを利用している以上,高解像度投影領域の動的変更は困難である.

そこで人の注視点のような不規則な動点に合わせて,高解像度な投影の光軸を動かし続けることで,全体として静的な画像を表現することを考える. 本投影表現において,空間的な位置やサイズに違和感が生じないように投影すること(幾何学的整合性)は勿論のこと, 動点に対して投影光軸が小さな遅延で追従すること(高速追従性)や,投影光軸が動くことによって生じる投影映像のモーションブラー等の アーティファクトを低減すること(時間幾何学的整合性)も重要である.従来研究においては,特に後者二つの投影条件を十分に満たせていなかった.

本研究では,高速光軸制御と高速プロジェクタに基づく追従的投影モザイキングシステムを提案する(図1). 本システムはこれまで本研究室で開発されてきた,高速ビジョンと高速ミラーを用いた 高速視線制御光学系1msオートパン・チルト技術)と, 最小遅延 3ms であり 1,000 fps で投影が可能な高速プロジェクタDynaFlash に基づくものである.この二つの高速デバイスを2種類の同期戦略(図3,4)を利用して制御することで, 時間幾何学的整合性が保たれた追従的投影が可能となる. 実際に,レーザーポインターの輝点に追従した投影モザイキングが可能となり(図2), 動的なユーザーに対する適応的な映像表現など新しい応用展開が期待される.


図1 提案システム概要
図2 レーザーポインタに追従して日本地図を投影した様子
図3 queueによる同期
図4 交互動作による同期

参考文献

  1. Masashi Nitta, Tomohiro Sueishi, and Masatoshi Ishikawa: Tracking Projection Mosaicing by Synchronized High-speed Optical Axis Control, The 24th ACM Symposium on Virtual Reality Software and Technology (VRST2018) (Tokyo, 2018.11.29)/Proceedings, Article No. 13 [doi:10.1145/3281505.3281535] Honorable Mentions, Microsoft Award
  2. 新田暢,末石智大,石川正俊: 光学的に動的な投影状況における高解像度静的映像投影手法, 第23回日本バーチャルリアリティ学会大会 (VRSJ2018) (仙台, 2018.9.19)/論文集, 11D-4
  3. Yoshihiro Watanabe, Gaku Narita, Sho Tatsuno, Takeshi Yuasa, Kiwamu Sumino, Masatoshi Ishikawa: High-speed 8-bit Image Projector at 1,000 fps with 3 ms Delay, The International Display Workshops (IDW2015), (Shiga, Japan, 2015.12.11)/Proceedings, pp.1064-1065, 2015.
  4. 奥村光平,奥寛雅,石川正俊: アクティブビジョンの高速化を担う光学的視線制御システム, 日本ロボット学会誌,Vol. 29,No. 2 (2011)

東京大学 情報基盤センター データ科学研究部門 石川グループ研究室
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