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3軸パラレルリンク構造を用いた小型作業支援ツール

概要

近年,医療分野における外科手術等, 人間の熟練技術をロボットに置き換えて術者の作業負担を軽減し, 作業の安全性・確実性の向上を目指した研究が盛んに行われている. これらの研究の多くでは, 人間の操作するマスター系と実際に作業を実行するスレーブ系が分離したマスタースレーブシステムとして実現されているが, システム構成が複雑になることや, スレーブ系における感覚情報を実時間でマスター系に送らねばならないために, 通信の遅れが生じる等の問題があった.

一方,提示系と操作系を一体化し, メスやピンセット等の作業ツール自体にアクチュエータを装備することで, 能動的に作業支援を実現するためのシステムが開発されている. これらのツールを用いることで,(1)人間や操作対象の震えや微小振動のようなエラーの補正, (2)衝突などの不意のアクシデントを防ぐための安全化, (3)ツール先端における接触力の制御などの人間の動作の補助, などの能力が実現されることが期待される.しかしながら従来のシステムでは, 作業用アクチュエータは人間の手と独立して動けるだけの自由度を持っておらず, 比較的単純な力補正や振動抑制に用いることが主であった. また,ツールの制御は, 関節角センサや力センサのような内界センサフィードバックに依存しているために, 安全性の面から実際の作業環境において使用するのは困難であった.

この問題に対しては,外界を外部から認識することを可能とする高速センサフィードバックが有効であり, 従来までにも,高速視覚情報を用いた感覚提示装置や力覚情報を用いた作業支援装置の開発が行われてきた. このような考えのもとに,本研究では,多自由度を持ち汎用の動作が可能な汎用用途の小型ツールを開発し, 高速視覚と力覚のフィードバックを与えることで, 実時間での環境の変化に適応した実環境作業支援システムを構築した.


参考文献

  1. 並木明夫,石井抱,石川正俊:視力覚フィードバックを用いた小型作業支援ツールの開発, ロボティクス・メカトロニクス'00講演会論文集/2P2-76-101 (2000) [PDF 形式 (0.2Mbytes)]

東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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