通常の視覚処理を大幅に上回るフレームレートで動作するビジョンチップの制御には, 厳しい実時間性が要求される.さらに, 撮像面で入力光の A/D 変換までもプログラマブルに行えるという汎用ビジョンチップの特長を最大限に活かすためには, ビジョンチップコントローラには、(1)高いインストラクションレートと、 (2)インストラクションサイクルの粒度での実時間性の保証が求められる.
これらの要求を満たすため,新たなビジョンチップコントローラアーキテクチャSPARSISの設計を行った. RISC 型 32 ビットマイクロコントローラのパイプラインにビジョンチップの制御フローを統合することでインストラクションレートの向上を図り, かつ,パイプライン内/パイプライン間フォワーディング,遅延分岐/ロード, 固定レイテンシのメモリアクセスなどによりパイプラインのストールを回避し, インストラクションサイクルの粒度での実時間性を保証している.