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ソフトウェア A-D 変換を用いたセンサ特性制御

概要

ビジョンチップにおける画素レベル A-D 変換を,ソフトウェアで制御するための手法を提案した. これにより,広いダイナミックレンジから任意に選んだ量子化間隔での A-D 変換を, プログラマブルに実現することが可能となる.

提案手法では,ある時間だけ光電流を蓄積した際の信号レベルが, ある参照電位に達しているかどうかを判定することで,量子化の各境界値との比較を行う. それぞれの境界値に対して,この「時間」と「参照電位」の両者を適切に制御することで, 与えられた量子化間隔を,ノイズの影響を最小化する条件のもとで実現する.

ビジョンチップを用いた実験により, A-D 変換特性の制御とノイズの低減が実現できていることを確認した. 実験結果を Fig. 1 と Fig. 2 に示す.

Fig. 1: Images of a grayscale chart with linear characteristics.
Fig. 1: 従来手法との撮像性能比較. Vref (PD 参照電位)を固定した従来手法と比べて, 感度の向上とノイズの抑制の両立が実現されている.

Fig. 2: Images obtained with different characteristics.
Fig. 2: 異なる A-D 変換特性での撮像結果. 適切な特性を与えることによって,広いダイナミックレンジに渡る撮像が実現できる.

参考文献

  1. 鏡慎吾, 小室孝, 藤村英範, 石川正俊: ディジタルビジョンチップのためのソフトウェアA-D変換手法, 映像情報メディア学会誌, Vol.57, No.3/pp.385-390 (2003)
  2. 鏡慎吾, 小室孝, 藤村英範, 石川正俊: ディジタルビジョンチップのためのソフトウェアA-D変換方式の検討, 電子情報通信学会集積回路研究会・VLSI 設計技術研究会共催 (沖縄, 2002.3.7)/電子情報通信学会技術研究報告ICD2001-228, VLD2001-153, pp.51-58 (2002)
 
東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 / 東京大学 情報基盤センター データ科学研究部門 石川グループ研究室
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