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パラレルバスパターンによる高速低遅延3次元形状計測

概要

本研究では動的シーンの高速低遅延3次元形状計測を目的として,新たにパラレルバスパターンによるワンショットの構造化光法を提案しています. 3次元形状計測は幅広い分野で活用されている基盤技術で,高速度,高解像度,高精度を同時に達成する次世代手法が期待されています. 本研究室で開発を進めてきた構造化光パターンと高速画像処理技術を用いた従来手法では,1,000fpsという高速性を達成する一方で, パターンの情報量密度が低いために計測解像度が低く,それに伴って精度も最大化されていませんでした.

本研究では,カメラとプロジェクタからなるアクティブステレオに物理的平行化を仮定し,パターンにパラレルバス通信の構造を取り入れることで, 一般的なコンピュータアーキテクチャで高速にデコード可能なバイナリ空間コードのフレームワークを構築しました. さらに,埋め込む情報を De Bruijn トーラス(図1)を用いて符号化することにより,情報量密度を最大にするパラレルバスパターンを新たに考案しました.

実験の結果,提案手法により平均0.838 mm の精度で26713 点を0.336 ms の計算時間で取得できることを確認しています(図2-4). この性能は従来手法を速度,解像度,精度の面で上回り,小型化も可能な構成であるため,発展が期待されています.


図1 De Bruijnトーラス
図2 計測対象
図3 計測結果
図4 計測精度

参考文献

  1. 宮下 令央, 田畑 智志, 石川 正俊: パラレルバスパターンによる高速低遅延3次元形状計測, 計測自動制御学会, 第39回 センシングフォーラム, 1B1-1, 予稿集 pp.49-54 (2022)
  2. Leo Miyashita, Satoshi Tabata, Masatoshi Ishikawa: High-speed and Low-latency 3D Sensing with a Parallel-bus Pattern, International Conference on 3D Vision (3DV2022), Proceedings, pp. 291-300, Prague, Czechia, 12-15 Sep. (2022)

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 ・創造情報学専攻 / 工学部 計数工学科 石川グループ研究室
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