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通信遅延を考慮したセンサ選択手法
概要
多数のセンサをネットワークで結合する,センサネットワークに関する研究が注目を集めている. 従来は想像もつかなかった膨大な数のセンサが接続されるであろうこれらのネットワークを効率よく利用するためには, そのセンサ群の中から,必要とする情報を効率よく得ることのできるセンサ, あるいはセンサの集合を,どのように選択していくかが重要な課題となる.
一方で,センサからの情報がネットワークを通じて遅延を伴って到着する場合, 各センサが行うセンシングの精度だけではなく,それぞれの通信遅延の大きさをも考慮した上で, その価値を評価することが必要となる.
この問題に対して,各センサによる観測情報が遅延を伴って到着した場合にもたらされる情報量を, 定量的に評価するための手法を提案した.information form と呼ばれる形式のカルマンフィルタを用いて, 遅れて到着する観測情報を統合可能なセンサフュージョンアルゴリズムを構成し, これをベースとすると各センサがもたらす情報量が単純な形で計算できることを示した.
提案手法を視覚センサを用いた対象追跡タスクの数値実験により検証し, 観測精度と通信遅延の両者を,状況に応じて適切に考慮したセンサ選択が実現できることを示した.
参考文献
- 鏡慎吾, 石川正俊:通信遅延を考慮したセンサ選択手法, 第21回ロボット学会学術講演会 (東京, 2003.9.20)/予稿集, 1F25