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ビジョンチップ用プログラミング言語 SPE-C

概要

ビジョンチップを様々な応用分野での汎用ビジョンシステムとして実用化するためには、 効率の良いプログラミング開発環境の開発が重要な問題となる。 これに対してビジョンチップ用プログラミング言語SPE-C(Sensory Processing Element-C)を提案・設計し、 コンパイラを実装した。

SPE-Cは、ビジョンチップシステムのうち、並列演算回路、入力回路、 出力回路、コントローラの動作を統一的に記述するための高級言語であり、 システムの記憶領域に対応したデータ型の導入により、 プログラムの汎用的記述(データ型以外の部分はほぼANSI-Cに沿ったもの)、 ハードウェア動作のソフトウェアによる隠蔽を実現する点に特徴がある。 データ型は、(1) parallel(N)型:並列演算部の全PE のレジスタの中の長さNビットの領域に対応、 (2) shared(N)型:コントローラのレジスタの中の長さNビットの領域に対応, が用意され、 (1)の演算は並列演算部のALU、(2)の演算はコントローラのALUにより行われる。 また入力回路、出力回路の振舞いを抽象化した「システムオブジェクト」を言語に用意し、 入出力の動作をシステムオブジェクトとparallel / shared型変数の間での代入演算として定義した。

これと同時に開発中のビジョンチップシステムへの実装に向けて、 実際に対応したSPE-Cコンパイラを開発し、その動作を確認している。 SPE-Cコンパイラは、WS上でのシミュレーション環境のためのコード生成を実現可能であり、 SPE-Cプログラムのアルゴリズムのチェックなどが容易に行うことができる。 コンパイラ本体、および各機種用のコード生成モジュール以外に、 アセンブラ、リンカといったツールも実装し、これらの動作を、SunOS Release 4.1.4環境、 およびWindows 95環境で確認した。


参考文献

  1. 松内良介, 村田達也, 石井抱, 石川正俊:ビジョンチップシステムのためのソフトウェア開発環境の構築, 情報処理学会計算機アーキテクチャ研究会 (阿蘇, 1997.8.20)/情報処理学会研究報告, Vol.ARC-125, No.7, pp.37-42
 
東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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