Invoked Computing: まわりにあるものを視覚・聴覚インターフェイスに変える拡張現実感
概要
普段使っているモノがそのまま拡張され、人間と直接インタラクションをとれるようになることは、人間の本来持つ能力を伸ばすヒューマンコンピューターインタフェースへの第一歩である。Rich Goldは過去にユビキタスコンピューティングのことを「魔法にかけられた村」に例えている(R. Gold, “This is not a pipe.” Commun. ACM 36, July 1993.)。そこでは、人々は普段使っている(インタフェースとして機能している)モノから隠されたアフォーダンスを見つけ出してゆく。このプロジェクトでは我々はRich Goldの説とは逆の方向からアプローチする。ここでは、ユビキタスシステムは人が取る行動によって提示された行動を発見し、それに応じたアフォーダンスを提供する。ここでの人が取る行動とは、普段使っているモノをつかって何かの動作をまねる一連の流れをさす。まねることで、ユビキタスシステムの環境が、共通のAR技術を利用して実在するモノの機能を拡張させ、環境を統合できる。例えば、バナナをもって耳に近づける動作。マイクと部屋のなかの見えないところに設置されたパラメトリックスピーカとを通して実在するバナナに現実世界の受話器の機能をその場で与えることができる。
言い換えれば、"invokd computing"プロジェクトの狙いは、普段つかっているモノが、その場でコンピュータインタフェースになったり、コミュニケーションデバイスに変わったりするようなマルチモーダルなARシステムを開発することだと言える。動作を試してもらうことで、アプリケーションが起動する。システムは提示されたアフォーダンスを理解し、AR技術を通して提示された機能を具現化する。(例えば、ノートPCの機能を起動するにはユーザはピザの箱をあけて軽く表面を叩いてあげればよいといったものがあげられる。)我々はみな普段使っているモノを音や映像で拡張してゆくことに興味がある。
動画
参考文献
- ZERROUG, A., CASSINELLI, A., ISHIKAWA, M., Invoked computing: Spatial audio and video AR invoked through miming, Proceedings of Virtual Reality International Conference (VRIC 2011), 6-8 April 2011, Laval, France (Jury Grand Prize) [PDF-2MB] [PPT-4MB][Poster-4MB].
Media
- Wired: Augmented Reality: University of Tokyo “invoked computing”, by Bruce Sterling 11.24.11
- The Guardian/The Observer: Alvaro Cassinelli: you really can use a banana as a telephone, interview by Sam Price, 1 Jan. 2012.
- DiGinFo: Banana Phone And Pizza Box Laptop PC - Invoked Computing For Ubiquitous AR, Nov.18, 2011
- CNET: New concept turns pizza boxes, bananas into computers, Nov. 2011
- Business Weekly, INVOKED COMPUTING IS TOP BANANA 26, Feb 2012
- Techcrunch, Ubergizmo, etc...