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M系列多重露光と対称ドットマーカによる卓球ボール高速スピン計測システム

概要

卓球はスピンが特徴的な球技スポーツであり, 最大150rpsにも達すると言われるスピンはボールの軌道を大きく変えるため戦術上重要な要素であり, 高速スピンのリアルタイム計測はプレーの改善や卓球ロボットの開発への活用に期待される. しかし,150rpsものスピンは1,000fpsの高速カメラを用いても1フレームあたり約54度もの回転が生じるため, 卓球ボールの高速な並進運動に対して継続観察を可能とする 1ms Auto Pan/Tiltシステム を用いても,回転運動のモーションブラーによりスピンの計測は容易ではない.

本研究では,卓球ボール表面に対称的なドットマーカーを描画し, そしてM系列符号を備えた1フレームでの多重露光撮影により, 卓球ボールの高速スピンを瞬時に計測するシステムを提案する(図1). スピンによるドットマーカのモーションブラーをM系列多重露光(図2)により破線として捉える画像(図3)への高速画像処理に加え, 撮影フレーム毎の姿勢推定問題を解くことで卓球ボールのスピンを高速かつ正確に推定する. そして1ms Auto Pan/Tiltシステム と組み合わせた高解像度撮影により,卓球ボールの大きな並進運動中のスピン計測も可能とする(図4). 本システムにより,ラリー中の卓球ボールのスピン情報を瞬時に計測できるようになるため, 高速プロジェクタ と組み合わせた即時視覚情報フィードバックによる卓球プレー改善や, スピンの量や方向に迅速に対応できる卓球ロボットの開発などのスポーツ分野の応用展開が期待される.

図1 システム構成
図2 M系列多重露光
図3 多重露光シミュレーション画像
図4 高速スピン光学トラッキング画像

参考文献

  1. Tomohiro Sueishi, Himari Tochioka, and Masatoshi Ishikawa: High-speed Spin Measurement System for Dotted Table Tennis Ball Using Single-frame M-sequence Multi-exposures, SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration, Vol. 18, Issue 1, pp.1-11 (2025)
  2. Tomohiro Sueishi, Himari Tochioka, and Masatoshi Ishikawa: High-speed Spin Measurement Method for Dotted Table Tennis Ball Using Structured Light of M-sequence Flickering Pattern, SICE Festival 2024 with Annual Conference (SICE FES 2024) (Kochi, 2024.8.30)/Proceedings, pp.1188-1193

東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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