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高速同軸制御光学系とアクティブマーキング法による回転対称体への発色描画システム

概要

近年,クロミズムと呼ばれる光や熱の照射により色素の変色を起こす化学反応を用いて,色素を塗布した対象表面上の模様を提示する発色描画の技術が活発に研究されている.中でも,光の照射を用いた現象をフォトクロミズムと呼ぶ.模様は消色し,繰り返し書き換えることが可能なため,コップやケースの模様をその日の気分で変更する,オンラインショッピングの模様をテスターする等の用途がある.また,従来のプリンターとは異なり非接触にプリント可能なため,さまざまな形状の三次元物体への描画技術が期待される.しかし,従来手法では対象の姿勢認識手法が描画対象には不適当な上,描画対象と光学系の位置合わせ(キャリブレーション)が煩雑な問題があった.

本研究では,対象の姿勢変化対応の発色描画システムに向けて,レーザー・カメラの高速同軸制御の光学系と,フォトクロミズムを利用して書き換え可能なマーカーを描画し追加することで,対称体を含めた対象の姿勢を認識するアルゴリズム(アクティブマーキング法)を提案する.システム模式図を図1に示す.カメラとレーザーの同軸制御により,カメラの画角内でレーザーの描画位置は常に固定されるため,位置合わせ(キャリブレーション)が簡便となる.手作業で配置された最小4点の初期マーカーを基準として,レーザーを用いて螺旋状に複数のドットマーカーを描画することで描画範囲を拡大し,画像処理で検出されるマーカーを用いて姿勢推定を行うことで,マーカーや静止絵の高精度な描画を行うことが可能となる.

本手法では,カメラが狭い画角で高解像度に描画領域を撮影するため,高精度なマーカーの描画や検出,および姿勢推定が可能となる.また,高速処理のため,対象の運動,すなわち姿勢変化に依らず高精度な描画が可能となり,三次元物体の全周囲への描画へと繋がりうる.実際に運動する平面対象へ静止状態と同様に高い描画精度(図2),回転対称体である円柱への十分な描画(図3)を確認した.三次元対称物体への模様付けが可能なことから,ガラス製品を含むコップなど日用品へのカスタマイズした色付けや更なる加工などへの応用が期待される.

図1 提案する発色描画システムの概要.
図2 静止/回転する平面対象への描画の様子と評価結果.
図3 回転対称体である円柱への描画の様子.

参考文献

  1. Yuri Mikawa, Tomohiro Sueishi, Tomohiko Hayakawa, Masatoshi Ishikawa: Laser-based drawing method for posture-free objects by photochromic active marking with high-speed coaxial gaze control, SPIE Photonics West 2020 (San Francisco, California, USA. 2020.02.05)/ Oral Session
  2. 三河祐梨, 末石智大, 早川智彦, 石川正俊:フォトクロミズムと高速光軸制御による発色型ファブリケーションに向けた動的描画システム, 第24回日本バーチャルリアリティ学会大会 (VRSJ2019) (東京, 2019.9.11)/論文集, 3C-03.
  3. Yuri Mikawa, Tomohiro Sueishi, Tomohiko Hayakawa and Masatoshi Ishikawa: Laser-based Photochromic Drawing Method for Rotating Objects with High-speed Visual Feedback, 2019 IEEE Conference on Virtual Reality and 3D User Interfaces (VR), Osaka, Japan, 23-27 Mar. (2019) / Poster

東京大学 情報基盤センター データ科学研究部門 石川グループ研究室
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