ビジョンチップコントローラ


様々な応用分野でビジョンチップが幅広く普及するためには, ビジョンチップアーキテクチャが持つ高速リアルタイム性と汎用性を維持する、さらには向上させる制御アーキテクチャを設計する必要がある。そこで1msビジュアルフィードバックシステムの開発を基本とした、ビジョンチップシステムの新たな制御アーキテクチャを提案し、その思想の具現化に向けたコントローラの設計・試作を行った。

1msビジュアルフィードバックシステムにおける問題点を整理する(なお、現状でも相当複雑なアルゴリズムでなければ、1ms以下のサイクルで動作する)と、(1) 上位コンピュータからのインストラクション送出速度の限界, (2) 上位コンピュータと出力回路間のI/Oボトルネック, (3) ビジョンチップの上位コンピュータへの従属 というものがあった。これらの問題点を解決し、高速リアルタイム性及び汎用性を維持・向上させるために、新たなビジョンチップ制御アーキテクチャは, (A)プログラムメモリの設置 (B) システムとしての演算能力の独立性, (C) 階層型制御, (D) 分散モジュール化によるソフトウェア制御 といった設計方針を採用した。

また実際にコントローラFPGAチップの設計・試作を行い、Actel社のACT3セルライブラリを用いて約4000ゲートで実現された。またこれまで試作されたビジョンチップの並列処理回路、出力回路と同程度の速度である4分周した制御クロックの1サイクルに約100nsで動作可能なものである。

参考文献

  1. 村田達也, 松内良介, 石井抱, 石川正俊:超並列・超高速ビジョンチップシステムの制御アーキテクチャ, 電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会 (小樽,1997.11.20)/電子情報通信学会技術報告(to be appeared)
  2. 村田達也, 松内良介, 石井抱, 石川正俊:超並列・超高速ビジョンチップの制御構造, 日本機械学会ロボット・メカトロニクス’97講演会 (東京,1997.6.8)/講演会論文集, pp.1089-1092

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