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OCULAR-II: 光インターコネクションモジュール

English version is also available.

OCULAR-IIの 基本ユニットである光インターコネクションモジュールは, (1)VCSEL の出射光を,フーリエ面に設置された位相変調型空間 光変調素子(PAL-SLM)により変調し,受光素子アレイ上に結像させる 読出し光学系(4f 光学系),及び(2)SLM に計算機ホログラム (CGH)を書き込むための液晶ディスプレイ(LCD)と平板マイクロ レンズからなる書込み光学系,により構成され,入射面と出射面に 挟まれる 25cm x 14cm x5 cmの体積内にすべての光学系が実装され ている.ブロック図, 及び実現した光インターコネクションモジュールを Fig.1に示す.

プリズムの利用により,光学系に構造的なモジュール性が付与されるとともに,反射型 SLM の読出し方法として,斜め読出し光学系を採用することにより,SLM からの読出し光のロスを抑制している.また,SLMへの入射光及び反射光が通過するフーリエ変換レンズを共有することにより,システムのコンパクト化を実現している.フーリエ変換レンズのの焦点距離は,CGH のピクセルサイズや光源の波長等により決まるが,温度変化等による変動を最大 1 割まで許容するために,360--440mm の範囲で可変であり,また,この焦点距離の範囲内での解像度の劣化を抑制した設計となっている.さらに,コンパクト化のために望遠型のレンズ構成を採用することにより,短い作動距離(155--200mm)を実現している.読み出し光の波長に合わせて SLM の反射率は最適化されている. LCD に表示された CGH パターンは,半導体レーザにより照射され PAL-SLM に書き込まれる.LCD は,1024 x 768 画素,ピクセルサイズ 26 um の 1.3インチソニー製 XGA-LCD(LCX023BL)を使用した.PAL-SLM は,解像度 20lp/mmで 2π以上の位相変調能力を有し,理論限界に迫る回折効率を提供する能力を有する. OCULAR-IIシステムにおいては,光インターコネクションモジュールのコンパクト化を優先し,イメージングレンズに替わり,日本板硝子社製の平板マイクロレンズを採用した.これにより,LCD と PAL-SLM 間の距離を 32mm に押さえている.平板マイクロレンズの解像度が 28 lp/mmであるため,得られた回折効率は CGH パターンにより差が見られ,理想時の10%から50%であった.

図2は, この光インターコネクションモジュールを用いて 1対4のマルチキャスト(一つの光源から出射した光が4箇所に分岐する)のインターコネクションを実現した様子である. 与えられるアプリケーションに応じて,インターコネクションパターン, すなわちプロセシングエレメント間の相互結合網を適応的に変化させることができ, 行列演算等の演算が高速化される.

optical interconnection

Fig. 1: 光インターコネクションのブロック図と外観

exapmles of optical interconnection

Fig. 2: 光インターコネクションモジュールを用いて実現した光インターコネクションの例

本研究は, 株式会社 浜松ホトニクス との共同研究である.

参考文献

  1. H.Toyoda, Y.Kobayashi, N. Yoshida, Y. Igasaki, T. Hara, N. McArdle, M. Naruse, and M. Ishikawa: Compact optical interconnection module for OCULAR-II: a pipelined parallel processor Technical Digest of Optics in Computing '99 [pdf file(94k)]
  2. N. McArdle, M. Naruse, M. Ishikawa, H. Toyoda, and Y. Kobayashi: Implementation of a Pipelined Optoelectronic Processor: OCULAR-II, Technical Digest of Optics in Computing '99 [pdf file(93k)]

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