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複雑変形紙面の高精度展開補正手法

概要

タブレットやスマートフォン等の電子機器の普及により,電子書籍が読まれる機会が増加している.これを下支えする技術が書籍電子化技術であるが,フラットベッドスキャナ等で電子化する作業は大量の時間と人的リソースを必要としていた.そこで我々は,書籍をめくりながら電子化を高速に行うことで,1分間に250ページの電子化を達成するブックフリッピングスキャニングの開発を行ってきた.このような電子化のスタイルにおいて必要不可欠な技術が,めくり動作中に撮影された,複雑に歪んだ書籍の画像を高精度に補正する技術である.

そこで,本研究では,複雑に変形した紙面の3次元形状を,後述する新しいモデルであるTiled Rectangle Fragments (TRFs) モデルで表現することにより,高精度に展開補正を達成する手法を提案する.

展開補正とはそもそも,歪んだ(2次元)画像を歪みのない(2次元)画像に補正するということであるが,3次元変形紙面を撮影した画像とその展開面の画像という3次元的な描像で捉えると,これらのジオメトリの間に等長写像(isometric mapping)を構成するということに他ならない.Tiled Rectangle Fragments (TRFs) モデルとは,可展な3次元形状を,同じ大きさの長方形切片を並べて表現したものである.ただし,使用する長方形切片は元の3次元形状を展開したものを細分化したものを使用するとする.このモデルを用いることで,TRFモデルと展開面の間に準等長写像を構成することが可能となり,高精度の展開補正が可能となる.

本手法で使用している入力は,変形紙面の3次元点群とその撮像画像のみであり,紙面のテクスチャに全く依存することなく展開補正が達成されている.



関連研究

参考文献

  • Masahiro Hirano, Yoshihiro Watanabe and Masatoshi Ishikawa: High-Accuracy Rectification of Non-Planar Documents using Isometric Developable Mesh, The 17th Meeting on Image Recognition and Understanding (MIRU2014), (Okayama, 2014.7.30)/Extended Abstracts, OS2-4 (2014). (Oral)
  • Masahiro Hirano, Yoshihiro Watanabe and Masatoshi Ishikawa: 3D Rectification of Distorted Document Image based on Tiled Rectangle Fragments, 2014 IEEE International Conference on Image Processing (ICIP2014), (Paris, France, 2014.10.29)/Proceedings, pp.2604-2608 (2014)
 
東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 石川グループ研究室
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