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Phyxel: 実物体の周期運動と高速時分割構造化光を用いた形状と質感を再現するリアリスティックディスプレイ

概要

実物体と見分けがつかないような高い現実感を有する裸眼用のディスプレイの開発が幅広い分野において望まれている。3 次元的な形状と実物体の持つ質感を同時に表現することは高い現実感の達成に不可欠であるが、この実現は難しかった。そこで私たちは、高い現実感と表現自由度を有するリアリスティックディスプレイの構成手法を提案する。本手法は、周期運動を行う実物体に対して同期したパターン光を高速に投影し、残像特性によって網膜上で時間的に積分された像を呈示するものである。 本ディスプレイは、プロダクトデザインなどの分野を始めとして新たな視覚メディアとしての利用が期待される。以下では、本手法によって実現されたアプリケーションを3種類紹介する。

1. Dynamic Stop Motion

本ディスプレイは質感を動的に再配置することが可能であるため、裸眼に対して実物体のアニメーションを呈示することが可能である。呈示するコンテンツは投影するパターン光の制御によって変更することが可能なので、動的に映像を切り替えることが可能である。写真(左)では、赤いフェルト素材の車が毛糸素材でできた背景や木の前を通過している様子を見ることができる。

2. Layered 3D Display

異なる高さをもつ質感を用意することで、実物体の質感を伴った3次元形状を呈示することも可能である。これにより視点の変化に対して自然な見えの変化を実現した3次元形状を呈示することができる。写真(中)では、層構造になった歯車がそれぞれ回転している様子を見ることができる。

3. 3D Shape Mixture

複雑な形状をもつ立体フィギュアの回転と適応的なパターン光を組み合わせることにより、新たな視覚効果を生み出すことが可能である。少数のフィギュアを用意するだけで、これらの組み合わせによる無数の形状を呈示することが可能となった。写真(右)では、馬と人間のフィギュアを組み合わせることでケンタウロスの像を作り出している。




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参考文献

  1. Takatoshi Yoshida, Yoshihiro Watanabe, and Masatoshi Ishikawa: Phyxel: Realistic Display using Physical Objects with High-speed Spatially Pixelated Lighting, SIGGRAPH Emerging Technologies, 2016.
  2. 吉田 貴寿, 渡辺 義浩, 石川 正俊: 実物体の周期運動と高速時分割構造化光を用いた形状と質感を再現するリア リスティックディスプレイ,第21回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集, 33C-01,(2016)
  3. Takatoshi Yoshida, Yoshihiro Watanabe, and Masatoshi Ishikawa. 2016. Phyxel: Realistic Display of Shape and Appearance using Physical Objects with High-speed Pixelated Lighting. In Proceedings of the 29th Annual Symposium on User Interface Software and Technology (UIST '16). ACM, New York, NY, USA, 453-460.

東京理科大学 研究推進機構 総合研究院 / 東京大学 情報基盤センター データ科学研究部門 石川グループ研究室
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